聴色

ゆるしいろ という色がある 許色と書く人もいるけれど なぜか 皆 聴色と書く 紅花で染められた淡い紅色 紅花大一斤で絹一疋が染められ 一般的には一斤染と呼ばれる 昔 紅花はとても貴重で 紅染の値段も 色が濃くなるほど上がり そのため 濃染の紅色は 禁色と呼ばれ 身分の高い人にしか纏うことがゆるされなかった 薄染の紅色は 聴色と呼ばれ 誰でも纏うことがゆるされた ゆるすをなぜ 聴すと書くのか 聴くときは 相手の話を真摯に聴く 相手の存在を受け入れる だから ゆるす わかったような わからないような ゆるしいろは 君の色 あれもこれも ゆるしてほしい そして いつか なんでも ゆるせるように なりたい